書本 & cafe magellan(マゼラン)
カタログ 利用案内 カゴの中 店舗紹介 リンク メルマガ ブログ


















TOP > 生活 > TOKUJIN DESIGN

|TOKUJIN DESIGN



吉岡徳仁 著 ギャップ出版 2002初版

状態:良、カバ少傷少汚

内容:
※ほぼ前頁写真
pp.6-33 ISSEY MIYAKE MAKING THINGS(1998-2000)
 motion and process「動きとプロセス」
 パリ・カルティエ現代美術財団で幕を開けた「 ISSEY MIYAKE MAKING THINGS」展。N.Y.ではエースギャラリー、東京は東京都現代美術館で開催された。この会場構成では、人が通ることによってセンサーに反応しコミカルに動くことで服の特性を表現するほか、衣服のプロセスの映像がプロジェクターによって床に投影されるなど、新しい手法で衣服の可能性や制作プロセスを表現する。同展は過去最高動員数を記録した。

pp.34-37 WINDOW DISPLAY FOR ISSEY MIYAKE(1999)
 illusion from double film「二重フィルムの錯覚」
 イッセイ・ミヤケのウインドウディスプレイ。光ファイバーの原理を利用した特殊フィルムによって目が錯覚をおこし、ウインドウ内部のカラフルな服が二重に見え、幻想の世界を創り出す。

pp.40-43 WINDOW DISPLAY FOR ISSEY MIYAKE(1997)
representing white in a white space「白い空間で白を表現する」
 97年のISSEY MIYAKEパリ・コレクションのテーマは「白」。白いブティック内で「白」という色を、構築物ではなく動きのあるもので表現することができないかと考え、得た結論が”雪”だった。ここで表現した雪は羽毛でできており、それをファンで吹き上げ、繰り返し宙に舞わせることにより、服に雪が蓄積されていくようになっている。夏に降らせたこの雪は、ショップ前を行き交うさまざまな人々を楽しませることができたのではないだろうか。

pp.44-47 L'EAU D'ISSEY POUR HOMME(1997)
 light:fragrance「光/香り」
 イッセイ・ミヤケの香水「ロー・ドゥ・イッセイ・プール・オム」のためのディスプレイデザイン。このディスプレイで使用したアクリル板は、下部へいくにしたがって間隔が狭くなるようスリットラインを入れてあり、上部から光をあてることで、一枚の平らな透明アクリル板に微妙な色調に彩られた奥行きのある光の帯が浮かび上がる。”香り”という形のないものを表現するため、同じ形のない”光”でフレグランスの持つ透明感と優しさを表現した。

pp.48-53 SHISEIDO 5S NEW YORK(1998)
 bead of water floating in the air「宙に浮く水滴」
 資生堂が展開するコスメティックブランド「5S」のためのウインドウ・インスタレーション。「5S」のイメージでもある"ナチュラルさ"と"テクノロジー"を表現した。水を震動させ、ストロボをあてることによって目が錯覚をおこし、水滴があたかも宙に浮いているかのように見せている。

pp.54-59 MOTION GRAPHICS(1997)
 the whole floor as a screen「床全体を画面にする」
 動くグラフィックデザインの展覧会「モーション・グラフィックス」の空間デザイン。この映像の展覧会では、単にモニターで構成したものではなく、床全体が画面になるような、今までにない非日常的な空間が作れないかということを考えた。床の映像は、天上に設置したミラーによって投影距離を2倍にし、大画面を実現している。この空間によって、新たな時代に入ったグラフィックデザインの可能性をさらに広げることができたように思う。

pp.60-63 BMW(1998)
overlapping the real with images「重ね合わさる実像と映像」
 BMW社新作プロモーションのための会場構成。ウインドウガラスに特殊フィルムを貼ることによって、プロジェクターから投影された映像が(ウインドウの)正面にいくにつれ徐々にあらわれ、空間の内部の車と映像が重なっていく。

pp.64-69 TOKUJIN YOSHIOKA DESIGN EXHIBITION -Xperiment-(2001)
 experiment「実験」
 東京・六本木アクシスギャラリーで行われた個展は、アクシスビルに季節はずれの雪が舞うという演出で幕を開けた。過去の作品と、現在進行中のプロジェクトのプロセス、その他、未来に向けての新しいプロジェクトの提案をインスタレーションというかたちで展示した。ハーフミラーガラスによって映像が反射し、"現実"と"非現実"が交差する空間をつくり出した。

pp.70-77 A-POC MAKING ISSEY MIYAKE&DAI FUJIWARA(2001)
 tunnel「トンネル」
 ベルリンのVitra Design Museumでおこなわれた「A-POC MAKING」展のインスタレーション。チューブ状の一体成形でつくられているA-POCの衣服を表現するべく、それらが完成されるまでの製造過程上さまざまな段階における未完成の衣服で会場全体を覆い、空間全体が一つの巨大なトンネルになっている。

pp.78-81 Apple Computer -presentation plan-(1997)
 floating letters/the luminous-diode spectrum「空中に浮かぶ文字/発光ダイオードの残像」
 アップルコンピューター社のためのショールーム空間プレゼンテーションプラン。パイプとパイプの間に浮かび上がる発光ダイオードの残像によって、目の錯覚をひきおこし、まるで空中に文字が浮遊しているかのように見える。

pp.82-97 ROBOT MEME EXHIBITION(2001)
future robot factory「未来ロボット工場」
 日本科学未来館と国際ロボットデザイン委員会(IRoDA)による「ロボット・ミーム展」の空間インスタレーション。人間の想像力と科学の力によって生まれたロボットは、われわれにとって未来の友人であり、「人間」に辿り着くまでの途上にある赤ん坊のような存在。そういったロボットに対する理想形として、頭に浮かんだフォルムはありとあらゆる機能から形成された究極のデザイン「人体」だった。その「人体」をモチーフに透明なポリカーボネートをインジェクションし、空間を構築。700体の透明な「人体」で空間全体を覆い、埋めつくすことで未来のロボット工場を表現し、つくり出した。そしてこのような透明「人体」が、現実的にわれわれの友人になる日は、もうすぐそこに来ているのかもしれない。

pp.98-109 A-POC AOYAMA(2000)
 one piece molding「一体成型」
 三宅一生と藤原大が新しく提案する衣服「A-POC(エイポック)」のショップデザイン。エイポックは「一体成型」というコンセプトからつくられている衣服。そのコンセプトを基に頭に浮かんだ素材は、ドイツのBMW社が開発した車のマフラーなどを覆うエキゾーストパネル(「一体成型」の方法でつくられる再生アルミニウム。遮断材として使用されている)だった。車のエンジンやマフラーなどの機能は、空間で言えば天上ダクトや配管などの設備機能に似ている。この素材の製造方法や機能をそのまま衣服のコンセプトとして置き換え、空間をエキゾーストパネルで覆うことにより「エイポック」のコンセプトを、より強調させることを考えた。

pp.112-117
 A-POC NAMBA(2001)
 space composed of industrial parts「工業部品によって空間をつくる」
 A-POC(エイポック)の発想は、衣服であると同時に、従来の衣服とは違う「プロダクトデザイン」としての要素をもはらんでいると言える。そこで、インテリアの分野とは異なった工業部品でショップそのものをつくり出すというアイデアに辿り着いた。空間を覆い尽くしている透明なポリカーボネート素材は、新幹線やリフト、飛行機などのコックピット用に開発されていた工業用部品。このインジェクションされたポリカーボネート素材で空間を構築することで、エイポックのコンセプトでもある「一体成型」を、そして衣服からプロダクトへと発展していくエイポックの可能性を、それぞれ明解に表現できたのではないだろうか。

pp.118-125 ISSEY MIYAKE(2001)
 novel transparency「新しい透明感」
 一連のISSEY MIYAKEショップのデザイン。このショップは今までにない「新しい透明」がコンセプト。ここで課されたものは、単に透明なガラスやアクリル什器構成でつくられた空間ではなく、不透明なものと対比させることによって、より透明感を強く感じることができる空間をつくりだすことだった。まるで透明な皮膜がブティックを覆っているかのように、壁面や光ファイバーの原理をとり入れた照明、什器に至るまで、この空間に在るすべてのものが透明を表現している。私にとって「透明」とは、単に存在を消すための素材ではなく、未来を伝えるという意におけるシンボルや考え方そのものだと感じている。

pp.126-129 Haat AOYAMA(2001)
creating space out of light「光そのもので空間をつくる」
 「Haat AOYAMA」のショップデザイン。物質的な空間表現ではなく、"光"そのもので空間を構築することを試みた。700個のLED(発光ダイオード)の"光"は人が通ることによりセンサーが反応し、色が変化する。音や空気のように質量を伴わない、いわゆる物質とはいわれていない"光"もデザインの素材として考えており、その中でも視覚的要素を備えた"光"は面白い素材である。

pp.130-135 NISSAN SHOWROOM -presentation plan-(2000)
 covering a building with informational material「情報という映像素材でビルを覆いつくす」
 日産自動車ショールームのプレゼンテーションプラン。ビルのファサードを曲面状のLEDネットによってつくることで、映像がビルの表面全体を"情報という素材"で覆いつくすプランである。

pp.136-139 Audi -presentation plan-(2001)
 liquid aluminum「液体アルミニウム」
 アウディのためのショールーム・プレゼンテーションプラン。オールアルミニウムボディのA8やA2に代表されるように、アウディ社の車の多くは、アルミニウムのパーツを一体化させたコンポーネントで構成されている。ここではアウディの車を象徴するアルミニウムを使って存在感のある空間を創出した。シームレスで一体感のある空間を実現するため、700℃でどろどろに溶かした液体状のアルミニウムを曲面の空間全体に吹き付けている。

pp.142-151 NTT-X(2001)
 optical cable「光ケーブル」
 「NTT-X」はIT(information Technology)ビジネスを中心に展開する新しい企業である。そのオフィス空間のデザインのコンセプトとして「光ケーブル」を考えた。まず、光ケーブル(光ファイバー)と同じ原理を利用したチューブ状の照明を天井に張り巡らせることによって、ITやネットビジネスのイメージをより強調させることを試みている。そしてさらに、1958年に完成した古い建物の中に新たに最新企業のオフィスをつくる意味自体を捉え、すべてを新しくつくり変えるのではなく、あえて古い建物の一部を残すことで、新しいものと古いものとの対比により強調させた。このオフィスが次の時代に向けての新しい価値をつくる「光」となることを信じている。

pp.153-167 BUILDING A NEW WITHIN AN OLD WAREHOUSE FRAMEWORK「古い蔵の構造体を残し新しい建築をつくる」(1999-2000)
 contrasting the old and the new「新しいものと古いものとの対比」
 この建築は決してリサイクルを目的とした再生プロジェクトでも、ジャポニズムを表現したものでもない。現代の建築にはない価値観とは何かということを考えつづけた結果、建築の新しい可能性を「移築」の中に模索してみようと思ったのがこの計画のはじまりである。完成した建築は、島根県にあった約150年前の米蔵を解体し、移築した構造体である。時間を経た古い構造体を新しい建築の中に取り込み、まったく新しい考え方の空間をつくり出す。「必然性からうまれたかたち」を持つ日本古来の米蔵の構造体、そこには「デザイン」という価値は皆無であり、それとはまったく異なる必然性のみがある。私は、その150年前の構造体を現代の新しい工業素材と融合させて、そこに生まれる面白さを価値として示したかった。新しいものと古いもの、自然素材と工業素材、伝統的な技法と現代のテクノロジー。この建物はあらゆる対比によって構築されている。それが、私の未来への提案である。

pp.168-179 NEW TOKYO LIFE STYLE ROPPONGI THINK ZONE(2001)
 the future:optical glass「未来―オプティカルガラス―」
 森ビルが打ち出す国内最大級の再開発プロジェクト「六本木ヒルズ」。その先駆けである"ZONE"は、実験的で新しいタイプのアート・プロジェクトの一環としてオープンした。床全体に映像作品が投影され、オリジナルで製作した特殊オプティカル・ガラスを通して見ると、床の映像が宙に浮き上がって見える。ギャラリーカフェ、ブックセンターを併設する"ZONE"へ一歩足を踏み込むと、今が既に未来であることを驚きとともに感じることができる。

pp.182-185 ToFU(2000)
 design light itself「光そのものをデザインする」
 ヤマギワとのコラボレートにより制作したプロダクトは、日本の代表的料理でもある豆腐のように仕込みの段階で手を掛け、カット、光源を差し込むことで完成する照明器具。これは照明器具のデザインではなく、光そのもののデザインである。

pp.190-195 Honey-pop(2001)
 Honeycomb:from 2D to 3D「ハ二カム―立体から平面―」
 自然が作り出す蜂の巣は軽く、そして強い。はちの巣はハニカム構造でつくられた究極の建築である。「Honey-pop」は1cmの薄さに積層されたグラシン紙を特定のラインでカットし、広げることでまるでマジックのようにハニカム構造の物体に変容し、座ることで身体の形に添って成型され椅子としてのフォルムが固定される。座り手のお尻の形そのものが、それぞれの椅子デザインとして成型されるという新しいアイデア。この椅子はヴィトラデザインミュージアム、ポンピドゥーセンターのパーマネントコレクションに選定されている。
販売価格 5,000円(税込)
購入数




この商品について問い合わせる
この商品を友達に教える
買い物を続ける